「自立しなきゃ」——そう思ってはいても、なかなか行動に移せない。
そんな時期が、私にもありました。
頭ではわかっているのに、心が追いつかない。
子育てが落ち着いた今だからこそ、あの頃の気持ちと、そこから抜け出すまでの道のりを振り返ってみたいと思います。
専業主婦としての“当たり前”に染まっていた私
私は長らく、専業主婦として家のこと・子どものことに専念してきました。
でもそれは、自分が選んだというより、そう“なるのが自然”だと思い込んでいたから。
実家では、母も親戚の女性たちもみんな専業主婦。
結婚したら家にいて家族を支えるのが“普通”だと思っていたし、特別に疑問を持ったこともありませんでした。
とはいえ、ただ家でのんびりしていたわけではなく、実家は家業である管理業(駐輪場や店舗など)を一族で手分けして行っており、母も家の中で忙しく働いていたんです。
でも「外で働く」という選択肢は誰一人として取っていなかった。
だから私にとって“働きに出る”ということは、想像すらしない世界でした。
看病の日々と、社会との断絶
専業主婦でいた理由のひとつには、息子の病気もありました。
生まれてすぐに疾患が見つかり、手術と入退院を繰り返す日々。
毎日が看病と育児に追われ、社会と関わる余裕なんて1ミリもありませんでした。
「子育てをしながら働く」生活を受け入れる事ができず、子どもが元気になったあとも、すぐに「働きたい」とは思えませんでした。
“これまで家にいたし、いまさら何をやればいいのかもわからない”——
そんな思考がこびりついていたのだと思います。
でも、周りのママたちが「仕事のために保育園に預ける」と話し出した頃、私は少し焦りを感じ始めました。
それでも踏み出せなかったのは、自分の中に「主婦=専業主婦であるべき」という価値観が根深く残っていたからです。
子育て卒業が、ぽっかりと心に穴を開けた
息子が大学生になり、ようやく「子育て卒業」と言える時期がきました。
一緒に出かけることも減り、家にいてもそれぞれの時間を過ごすようになった頃、私はふと、自分の存在の軽さに気づいてしまったんです。
“家族のために頑張ってきたけど、私って今、誰のために生きてるんだろう?”
心にぽっかりと穴が開いたような感覚。
家族のために生きることは否定しません。でも、それだけじゃ足りないと感じてしまった自分がいたんです。
自立は「一人で生きること」じゃなかった
「自立」という言葉は、どこか“冷たくて、孤独”なイメージがあるかもしれません。
でも、私が見つけた自立は、まったく違いました。
それは、「自分の意思で、自分の人生を選べる力」を持つこと。
家族に感謝しながらも、自分の人生の主役は“自分自身”なんだと認めることでした。
誰かに頼ることを否定するのではなく、
「私はこうしたい」と胸を張って言える自分になること。
そんな“やさしい自立”があってもいいと、今の私は思っています。
在宅ワークとの出会いで、自分を取り戻した
コロナが落ち着き始めた頃、世の中には在宅で働ける仕事が少しずつ増えていました。
フリーランスとしての夢を追って、自己投資もたくさんしました。
その結果、資金不足から派遣に戻った経験もあります。
でも、そこから**“在宅フルタイムの仕事”という自分に合った働き方**に出会えたことで、
私は初めて「これが、私の人生だ」と思えるようになったんです。
家族に依存せず、外に出なくても、自分の価値を感じられる。
それは、私にとっての“本当の意味での自立”でした。
まとめ|あなたにも、きっとできる
過去の私は、家族にしがみついていました。
それが悪いことだとは思いません。でも、そこに“自分の人生”がなかったのは確かです。
今、もし「自分の人生って何だろう」と思っている方がいたら、声をかけてあげたいです。
「恐れなくて大丈夫。あなたは、もっと自由になっていい。」
自立は、孤独じゃない。
むしろ世界が広がって、心が軽くなって、笑える時間が増えていく。
それを私は、身をもって知りました。
次の記事では、「働くのが怖かった私」がどうやって一歩を踏み出し、
“派遣という働き方”を選んだのか、リアルな心の動きをお話ししています。
→ 【派遣という働き方を選んだ理由】はこちら(※近日公開予定)